産後の内臓の位置
おなかの赤ちゃんが大きくなるにつれ、おしっこが近くなったり、くしゃみでおしっこがチョロッともれてしまったり。かと思うと3日も4日もうんちが出ない、痔主になってしまった・・・・・・などなど、妊婦の苦労は絶えません。それもこれも、みんな大きくなった子宮のせい? 子宮とお隣臓器との窮屈な関係を、明かしましょう
妊娠前と妊娠中のおなかの中を見てみましょう。膀胱は子宮のすぐ隣にあります。妊娠するとどんどん大きくなっていく子宮におされて、膀胱は細長く扁平になっていきます。伸びも悪くなって、ためられる尿の量も少なくなります。だから、 1 日に何度も何度もトイレに行きたくなるのです。
妊娠した子宮の影響で、尿管(腎臓から膀胱に続く管)も、広がっています。もともと男性に比べて弱い尿道近くの筋肉(尿道括約筋)も、さらに弱くなって、しまりがなくなっています。妊娠中に増えるエストロゲンなどのホルモンの影響なのです。
くしゃみやせきをしただけで、尿もれが起こるのは、妊娠中はある程度 しかたないことなのです。

大きくなった子宮に圧迫されているのは、膀胱や腸だけではありません。胃やその上にある心臓、肺までも押し上げています。
妊娠前に、縦長に配置されていた胃は、持ち上げられて横位置に近くなります。そのため、胃液の流れが悪くなって、ぜん動もうまくいかなくなります。むかむかしたり、食欲が沸かなかったりするのは、このせいもあったのです。げっぷとともに、吐くような感じになるのは、胃が横になっているために、胃の中の空気がスムーズに出てこられないからです。
子宮は、さらに横隔膜全体を押し上げ、心臓や肺のカタチまで扁平にします。そのために、心臓はときに頻脈や不整脈を起こし、肺活量も小さくなります。妊娠中はちょっと動いただけなのに、ドキドキしたり、ハアハアしてしまう理由は、ここにあったのです。
あかちゃんが子宮を飛び出し、子宮がもとに戻れば、頻尿や尿もれ、便秘や痔は、たいてい元に戻っていきます。胃もすっきり、心臓や肺も元の大きさに戻ります。
ただし、妊娠中に症状を悪化させないことが大事です。便秘などは習慣化するものですし、痔を悪化させれば、産後も尾をひいてしまいます。
出産時には、あかちゃんを出すために、尿道や肛門、膣まわりの骨盤底筋群と呼ばれる組織が、どうしてもダメージを受けます。そのダメージがひどいと、産後の尿もれや脱肛などの原因になります。
骨盤底筋のダメージは、お産のときに分娩の流れをスムーズに進めることで減らすことができます。産褥期はできるだけ養生し、産後3週間以降を目安に骨盤底筋群を強化する体操で、しっかり回復をはかることも大切です。
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